真言宗泉涌寺派大本山 法楽寺

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‡ Aṭṭhaṅga sīla [八斎戒]

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Buddha guṇā |  Dhamma guṇā |  Saṅgha guṇā
Paritta Parikamma |  Maṅgala sutta  |  Ratana sutta |  Metta sutta |  Khandha sutta
Mora sutta |  Vaṭṭa sutta |  Dhajagga sutta |  Āṭānāṭiya sutta |  Aṅgulimāla sutta
Bojjhaṅga sutta |  Pubbaṇha sutta
Anekajāti gāthā |  Paṭiccasamuppāda |  Udāna gāthā |  Paccayuddesa
Dhammakāya gāthā |  Metta bhāvanā |  Asubha bhāvanā |  Patthanā
Himavanta gāthā |  Lakkhaṇattayaṃ |  Ovāda |  Patti dāna |  Ratanattaya pūjā

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1.Aṭṭhaṅga sīla

八斎戒

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パーリ語原文
1. [ R-1. / J-1. ]
Okasa, Okasa, Okasa!
Dvārattayena kataṃ sabbaṃ
aparādhaṃ khamatha me bhante.
Dutiyampi dvārattayena kataṃ sabbaṃ
aparādhaṃ khamatha me bhante.
Tatiyampi dvārattayena kataṃ sabbaṃ
aparādhaṃ khamatha me bhante.
2. [ R-2. / J-2. ]
Ahaṃ bhante tisaraṇena saha [=saddhiṃ]
aṭṭhaṅga uposathasīlaṃ dhammaṃ yācāmi
anuggahaṃ katvā sīlaṃ detha me bhante.
Dutiyampi ahaṃ bhante tisaraṇena saha [=saddhiṃ]
aṭṭhaṅga uposathasīlaṃ dhammaṃ yācāmi
anuggahaṃ katvā sīlaṃ detha me bhante.
Tatiyampi ahaṃ bhante tisaraṇena saha [=saddhiṃ]
aṭṭhaṅga uposathasīlaṃ dhammaṃ yācāmi
anuggahaṃ katvā sīlaṃ detha me bhante.
3. [ R-3. / J-3. ]
Ya mahaṃ vadāmi taṃ vadetha.
4. [ R-4. / J-4. ]
Āmabhante.
5. [ R-5. / J-5. ]
Namo tassa Bhagavato Arahato Sammāsambuddhassa.
Namo tassa Bhagavato Arahato Sammāsambuddhassa.
Namo tassa Bhagavato Arahato Sammāsambuddhassa.
6. [ R-6. / J-6. ]
Buddhaṃ saranaṃ gacchāmi.
Dhammaṃ saranaṃ gacchāmi.
Saṃghaṃ saranaṃ gacchāmi.
Dutiyampi Buddhaṃ saranaṃ gacchāmi.
Dutiyampi Dhammaṃ saranaṃ gacchāmi.
Dutiyampi Saṃghaṃ saranaṃ gacchāmi.
Tatiyampi Buddhaṃ saranaṃ gacchāmi.
Tatiyampi Dhammaṃ saranaṃ gacchāmi.
Tatiyampi Saṃghaṃ saranaṃ gacchāmi.
7. [ R-7. / J-7. ]
Tisaraṇagamanaṃ paripuṇṇaṃ.
8. [ R-8. / J-8. ]
Āmabhante.
9. [ R-9. / J-9. ]
Pāṇātipātā veramaṇī-sikkhāpadaṃ samādiyāmi.
Adinnādānā veramaṇī-sikkhāpadaṃ samādiyāmi.
Abrahmacariyā veramaṇī-sikkhāpadaṃ samādiyāmi.
Musāvādā veramaṇī-sikkhāpadaṃ samādiyāmi.
Surā-meraya majja-pamādaṭṭhānā veramaṇī-sikkhāpadaṃ samādiyāmi.
Vikālabhojanā veramaṇī-sikkhāpadaṃ samādiyāmi.
Nacca-gīta-vādita-visūkadassanā
mālā-gandha-vilepana-dhāraṇa-maṇḍana-vibhūsanaṭṭhānā veramaṇī-sikkhāpadaṃ samādiyāmi.
Uccāsayana-mahāsayanā veramaṇī-sikkhāpadaṃ samādiyāmi.
10. [ R-10. / J-10. ]
Tisareṇa saha [=saddhiṃ] aṭṭhaṅga sīlaṃ dhammam sādhukaṃ
(surakkhitaṃ) katvā appamādena sampādetha.
11. [ R-11. / J-11. ]
Āmabhante.

カナ読み
1. [ P-1. / J-1. ]
オーカーサ、オーカーサ、オーカーサ!
ドワーラッタイェーナ カタム サッバム 
アパラーダン カマタ メー バンテー.
ドゥティヤンピ ドワーラッタイェーナ カタム サッバム 
アパラーダン カマタ メー バンテー.
タティヤンピ ドワーラッタイェーナ カタム サッバム 
アパラーダン カマタ メー バンテー.
2. [ P-2. / J-2. ]
アハン バンテー ティサラネーナ サハ[サッディン] 
アッタンガ ウポーサタシーラン ダンマン ヤーチャーミ 
アヌッガハン カトヴァー データ メー バンテー.
ドゥティヤンピ アハン バンテー ティサラネーナ サハ[サッディン] 
アッタンガ ウポーサタシーラン ダンマン ヤーチャーミ 
アヌッガハン カトヴァー データ メー バンテー.
タティヤンピ アハン バンテー ティサラネーナ サハ[サッディン] 
アッタンガ ウポーサタシーラン ダンマン ヤーチャーミ 
アヌッガハン カトヴァー データ メー バンテー.
3. [ P-3. / J-3. ]
ヤ マハン ヴァダーミ タム ヴァデータ.
4. [ P-4. / J-4. ]
アーマ バンテー.
5. [ P-5. / J-5. ]
ナモー タッサ バガワトー アラハトー サンマーサンブッダッサ.
ナモー タッサ バガワトー アラハトー サンマーサンブッダッサ.
ナモー タッサ バガワトー アラハトー サンマーサンブッダッサ.
6. [ P-6. / J-6. ]
ブッダン サラナン ガッチャーミ.
ダンマン サラナン ガッチャーミ.
サンガン サラナン ガッチャーミ.
ドゥティヤンピ ブッダン サラナン ガッチャーミ.
ドゥティヤンピ ダンマン サラナン ガッチャーミ.
ドゥティヤンピ サンガン サラナン ガッチャーミ.
タティヤンピ ブッダン サラナン ガッチャーミ.
タティヤンピ ダンマン サラナン ガッチャーミ.
タティヤンピ サンガン サラナン ガッチャーミ.
7. [ P-7. / J-7. ]
ティサラナガマナン パリプンナン[サンプンナン].
8. [ P-8. / J-8. ]
アーマ バンテー.
9. [ P-9. / J-9. ]
パーナティパーター ヴェーラマニー シッカーパダム サマーディヤーミ.
アディンナダーナー ヴェーラマニー シッカーパダム サマーディヤーミ.
カーメースミッチャーチャーラー ヴェーラマニー シッカーパダム サマーディヤーミ.
ムサーヴァーダー ヴェーラマニー シッカーパダム サマーディヤーミ.
スラーメーラヤ マッジャパマーダッターナー ヴェーラマニー シッカーパダム サマーディヤーミ.
ヴィカーラボージャナー  ヴェーラマニー シッカーパダム サマーディヤーミ.
ナッチャ・ギータ・ヴァーディタ・ヴィスーカダッサナー、
マーラ・ガンダ・ヴィレーパナ・ダーラナ・マンダナ・ヴィブーサナッターナー
ヴェーラマニー シッカーパダム サマーディヤーミ.
ウッチャーサヤナ・マハーサヤナー ヴェーラマニー シッカーパダム サマーディヤーミ.
10. [ P-10. / J-10. ]
ティサラネーナ サハ[サッディン] アッタンガシーラム ダンマン サードゥカン
(スラッキタン) カトヴァー アッパマーデーナ サンパーデータ.
11. [ P-11. / J-11. ]
アーマ バンテー.

日本語訳
1. [ P-1. / R-1. ]
【受者】
オーカーサ、オーカーサ、オーカーサ!
(身と口と心の)三つの門によって為された我が罪を許したまえ、大徳よ。
二たび、三つの門によって為された我が罪を許したまえ、大徳よ。
三たび、三つの門によって為された我が罪を許したまえ、大徳よ。
2. [ P-2. / R-2. ]
【受者】
大徳よ、私は三帰依と共に八つの布薩戒の法を請います。
どうか(我が願いを)受け入れて我に戒を授けたまえ、大徳よ。
二たび、大徳よ、私は三帰依と共に八つの布薩戒の法を請います。
どうか受け入れて我に戒を授けたまえ、大徳よ。
三たび、大徳よ、私は三帰依と共に八つの布薩戒の法を請います。
どうか受け入れて我に戒を授けたまえ、大徳よ。
3. [ P-3. / R-3. ]
【比丘】
私が言うことを復唱しなさい。
4. [ P-4. / R-4. ]
【受者】
はい、大徳よ。
5. [ P-5. / R-5. ]
【復唱】
阿羅漢であり、正等覚者たる、かの世尊を礼拝します。
阿羅漢であり、正等覚者たる、かの世尊を礼拝します。
阿羅漢であり、正等覚者たる、かの世尊を礼拝します。
6. [ P-6. / R-6. ]
【復唱】
私は、仏陀(ブッダ)に帰依します。
私は、法(ダンマ)に帰依します。
私は、僧伽(サンガ)に帰依します。
二たび、私は、仏陀に帰依します。
二たび、私は、法に帰依します。
二たび、私は、僧伽に帰依します。
三たび、私は、仏陀に帰依します。
三たび、私は、法に帰依します。
三たび、私は、僧伽に帰依します。
7. [ P-7. / R-7. ]
【比丘】
三帰依は完成された[満たされた]。
8. [ P-8. / R-8. ]
【受者】
はい、大徳よ。
9. [ P-9. / R-9. ]
【復唱】
私は、生けるものを殺すことを控える学処(=戒)を受持します。
私は、与えられていない物を我が物とすることを控える学処を受持します。
私は、愛欲における邪な行いを控える学処を受持します。
私は、偽りを語ることを控える学処を受持します。
私は、穀物酒や果実酒など、酔わせ放逸とさせるものを控える学処を受持します。
私は、不適切な時間の食事を控える学処を受持します。
私は、踊り・歌唱・演奏・舞台の鑑賞、花輪・香料・化粧・飾り付け・着飾ること・装飾を控える学処を受持します。
私は、高い床・大きな床(で坐したり寝たりくつろぐこと)を控える学処を受持します。
10. [ P-10. / R-10. ]
【比丘】
三帰依と共に八戒の法をよく守護し、怠らずに勤んで目的を果たせ。
11. [ P-11. / R-11. ]
【受者】
はい、大徳よ。

日本語訳:沙門 覺應

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2.解題

八つの戒め

Aṭṭhaṅga sīla[アッタンガシーラ]とは、「八つの戒」という意で、日本や支那など漢語仏教圏ではそのまま「八戒」あるいは「八斎戒」と言われる、在家仏教徒の戒です。これは内容的に出家者の戒律に準じたものであり、原則として月のうち布薩日と言われる六日に限って受け守ることが推奨されるものです。

(仏教における「戒」とは何を意味するかについては、別項“戒とは何か”を参照のこと。)

布薩日とは、新月と満月の日の二日。そして、それぞれ新月・満月の日から八日目と十四日目の四日の、都合六日間です。すなわち、(太陰暦で)月の8、14、15、23、29、30日の六日間です。

もともと布薩日とは、インドのバラモン教で行われていた信者たちがバラモンの元へ行って布施をなす祭日であったのですが、マガダという国の王ビンビサーラの勧めによって釈尊がこれを仏教に取り入れ、特に精進潔斎する日として定められて、今に至っているものです。故に八斎戒はまた布薩戒(Uposatha sīla)とも言われます。

(布薩日についての詳細は、別項“戒律講説”の“八斎戒”を参照のこと。)

さて、八斎戒とは以下のようなものです。

八斎戒 戒相
No. 戒名 戒相
1 不殺生戒 いかなる生き物も、故意に殺傷しない。
2 不偸盗戒 故意に他者の所有物を盗まない。
3 不淫戒 すべての性行為から離れる。
4 不妄語戒 偽りの言葉を語らない。
5 不飲酒戒 酒など人を酔わせ放逸にさせる物を摂取しない。
6 不過中食戒 正午から日の出まで、固形物を一切口にしない。
7 不著香華瓔珞香油塗身戒 化粧や香水、宝飾品などで身を飾らない。
不作唱技楽故往観聴戒 音楽や演劇等を自ら為さず、また鑑賞しない。
8 不坐臥高広大床戒 高く・広いなど立派な寝具や坐具でくつろがない。

日本・支那など漢語仏教圏では、上に挙げた戒条のうち七番目のものを別けてに二条とし、実質九ヶ条の戒としている場合があります。実際、ここで第七条に挙げている戒は、出家者の戒では別々に挙げられるものです。けれども、なぜ九ヶ条あるのにこれを八斎戒と呼称するかというと、上の表では第六条としている不過中食戒を第九条としてこれを「斎戒」とし、八戒と斎戒で八斎戒であると捉えているためです。

なお、斎とは、もともと「ととのえる」「つつしむ」の意で、神に対して身心を清めること、「ものいみする」を意味する漢字です。けれども、仏教ではこれを日の出から正午迄の食事を、これを時食[じじき]というのですが、意味するものとして使っています。

六日間の非日常

仏教信者で、特に望む者・それが可能である者は、布薩日には寺院に赴いて僧侶から直接、あるいは自分で誓って八斎戒を受け、この日はさらに意識してこれら戒を守り、静かな一日を送ることが勧められます。

もっとも、八斎戒は布薩日だけに守るべきものとされているということもなく、特に希望するもので、またそれが可能であれば、常日頃持って可なるものです。なお、ビルマの尼僧ティーラシンは、この八斎戒をこそ受けて尼僧としての生活を送っています。

(ビルマの尼僧については別項“沙弥尼”を参照のこと。)

実際のところ、分別説部が信仰される南方において、ハ斎戒を寺院などに赴いて布薩日に受けるのは、やはり外に仕事に出かけている男性ではなくて、家にいる女性が「圧倒的に」多くあります。

在家信者にとって、少々つらく感じられるであろうことは、正午を過ぎて次の日の日の出まで固形物を採らないということかもしれません。水やお茶、フレッシュジュースなどの飲み物であれば採って構わないのですが、しかし牛乳やヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品は禁じられます。また、飴など舐めることは出来ますから、低血糖になることが心配な人は、それで大体対処できます。なに、半日何も食べなくとも死ぬことは決してありません。

普段、食べたい時に食べるような日常を送られている人にとって、布薩日という月の六日にいわば軽い断食をすることは、食欲を我慢するという緊張感ある非日常を送り得る良い機会と思われます。大体、多くの人が日頃あれこれ食べ過ぎているような現代であればなおさら、健康にも良いかも知れません。また今夜何を食べようかなどということを一一考える必要もなく、その点も楽なものです(しかし、主婦をされている方で、自分は食べなくとも家族の食事を作らなければならない、となると話は変わってくるでしょう。けれども南方の女性らは、もう慣れたもので、それを当たり前のものとして行なっています)。

けれども、それももちろん大切なことの一つですが、ここではただ我慢するということではなくて、そこで自らの心を静かに穏やかに定めることを目標とすることです。その故に音楽や演劇などを自ら行い、また鑑賞することも、この八斎戒では制せられています。

腹が減ってそれどころではない、という人もあるかもしれませんが、そんなものは慣れです。そこは慣れるまで我慢しなければなりません。ただの半日だけでも食事を抜くことが絶えられないなどという人が、どうして自分を変えることが出来るでしょうか。

さて、先の“Pañca sīla(五戒)”の項で述べたように、スリランカの分別説部では、戒を授けた比丘によって以下のような偈が最後に加えられることがあります。

Sīlena sugatiṃ yanti, sīlena bhogasampadā,
silena nibbutiṃ yanti, tasmā sīlaṃ visodhaye.

戒によって彼らは善き生に往き(良き後生に逝き)、戒によって彼らは富を得、
戒によって彼らは涅槃に往く。その故に、人は戒を清めるべきである。

日本語訳:沙門 覺應

無論、日々様々な仕事に従事して朝から晩まで精を出している人にとって、午後食事をしないということはキツいことでしょう。そんなことをしていたら仕事がおろそかとなってしまう、と。故にこの八斎戒は、五戒とは異なって、希望する者に勧められる戒です。

もし、なんらか発願してこれを守ろうという人があったならば、是非ともこれを受け保って見ることを勧めます。

貧道覺應 拝識
(horakuji@gmail.com)

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