真言宗泉涌寺派大本山 法楽寺

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‡ 『仏垂般涅槃略説教誡経(仏遺教経)』

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1.原文

 七離種種自性淸淨無我分

汝等比丘。常當一心。勤求出道。一切世間。動不動法。皆是敗壞不安之相。汝等且止。勿得復語。時將欲過。我欲滅度。是我最後之所教誨。

佛垂般涅槃略説教誡経 佛遺教経

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2.読み下し

  七離種種自性清浄無我分

汝等比丘、常にまさに一心に勤めて出道1を求むべし。一切世間、動・不動の法は、皆な是れ敗壊不安の相2なり。

汝等且く止みね。また語ことを得ること勿れ。時まさに過ぎなんと欲す。我れ滅度せんと欲す。是れ我が最後の教誨する所なり。

仏垂般涅槃略説教誡経 仏遺教経

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3.現代語訳

 七.離種種自性清浄無我分

「比丘達よ、常にまさに一心に勤め励んで、出離の道を求めよ。あらゆる世間の動くモノ・動かぬモノにせよ、すべてはいずれ敗北して壊れる不完全なる有り様である」

「修行者達よ、しばらく止めよ。もはや言葉を発することのないように。我が時はまさに過ぎ去っていく。私はここに滅度する。これが我が最後の教誨である」

仏垂般涅槃略説教誡経 仏遺教経

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4.語注

  • 出道…出離の道。世間を離れ、この生死輪廻の苦海をいづる道。それはすなわち仏道に他ならない。
     俗世・世間にしがみつきながらも、同時に解脱を得ようとすることは理にかなわない。それはあたかも、人が湖の水面にただ浮かび漂いながら、深き湖底に秘められた宝を得ようとするようなものである。→本文に戻る
  • 敗壊不安の相…この世のすべては不完全で危うく脆いものである。それはなにも仏教だけが説くことではなく、キリスト教やイスラム教もまた同じく見なすところである。しかし、彼らはその背後に絶対唯一なる創造主、万能なる神の存在を夢見る。不完全な我々に対し、完全なる絶対者、唯一なる救済者の存在を想うのである。
     しかし、仏教ではそのような絶対唯一なる創造主など認められないと説く。また、何者も己を救うことなど出来ないとも説く。自分を救い得るのは他でもない自分自身以外にあり得ないのである。仏陀は、その自らが自らを救う道を説かれた。まさにその行き方を示されたのである。
     「勝つ!」「勝利する!」「常勝!」、そのような滑稽なスローガンを全面に打ち出す仏教系新興宗教は日本に多くあるように思われる。いや、新興宗教だけではなく、近頃の世間一般でも勝ち組・負け組などという言葉は普通に用いられている。
     けれどもしかし、誰もこの世で真に勝利することなど出来ない。仏陀はときにサンスクリットあるいはパーリ語でJina、すなわち勝者と称されることもある。しかしそれは、この世の勝者としてではなく、そのような不安なる世を超越した者という意味で勝者と讃えられるのである。なんとなれば、自らを含めたすべてのモノゴトは必ず変化し、壊れ、畢竟じて我が意のままにすることの出来ないものであるから。
     どれほど社会的に成功し、人々から賞賛される事業を成し遂げ、大なる富を築きあげてこの世の春を謳歌した者であっても、その最期は突如としてあっけなく、また惨めにやってくる。それを満ち足りた思いで受け入れられるのか。それは当然、人によって異なるであろう。しかし、「知足」を知ると知らぬとで、またこの世が「敗壊不安の相」であることを知ると知らぬとで、その終わりの迎え方は甚だ異なってくるに違いない。
     如何に我々は生きるべきか、如何に我々は世界を見るべきか、如何に我々はその最期を迎えるべきか。その得難き答え、尊き教えの要が、この『仏遺教経』では説かれている。『平家物語』にて詠われた「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」とは、まさにここで仏陀が語られ示された、誰しも必ず死を迎えることを言うものであった。→本文に戻る

現代語訳・脚注: 非人沙門覺應
horakuji@gmail.com

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